Vol.39 努力は目的ではない
#39
成果ではなく、自分がした努力に焦点を合わせていないか?
「努力が認められるのは学生まで」とはよく言ったもので、
仕事をとなると、いくら「頑張ったので」と言っても、結果が出ていないことにはどうしようもないのは、多くの方も納得とは思います。
これくらい明らかではなくても、では、
「商品開発に3年掛かった」とか「これまで為すのに、総額でいくらの予算を投じた」というようなことが、頭の中に浮かぶことはあるのではないでしょうか。自分は、あります。
これくらい頑張った、どれくらい大変だった、ということは事実としてあるかもしれませんが、
定めた成果(=組織の外の世界における良い変化)のために必要なことなのであれば、それを誰かが担当しないことには成果は生まれません。
また、一部分の履行での段階で「頑張った」で止まってしまっては、成果に結びつくための他の行程がされないまま、結果、成果に近づくことはありません。
成果に焦点を合わせると、「他に必要なことは無いか」「他のもう少し良い方法があるのではないか?」と言うように、自分が考える内容や取る行動が変わってきます。「頑張った」でおわってしまっては途中の段階ですし、「頑張ったのに」と「のに」が付いて愚痴になっているようでは、完全に、成果からかけ離れてしまいます。
働く目的は人によって様々でも、仕事の目的は誰にとっても同じ一つのことです。ミッション実現を通じて顧客の満足に貢献することです。苦しい時ほど成果ではなく努力に焦点合わさりがちです。
どれくらい大変だったか、ではなく、成果に目を向けようと思います。
ところがほとんどの人が下に向かって焦点を合わせる。成果ではなく努力に焦点を合わせる。組織や上司が自分にしてくれるべきことを気にする。そして何よりも、自らがもつべき権限を気にする。その結果、本当の成果をあげられない。
P.F.ドラッカー 「経営者の条件」