Vol.70 「この人は手放せない」と言われる時に起きている現実

MP#70 自分達の力の無さを補うために人の強みを使っていないか

 

確かに組織は人の弱みを中和し無害化するものですが、「チームの弱み」を補うために、強みを持つ人を使うのではないよ、ということです。

 人の強みは、上司の力の無さや弱さを支えるために使うものではありません。「いなくては困る、手放せない」というのは、自社内の問題解決に焦点を合わせた人事ということになります。

問題は解決されて、マイナスがゼロにはなりますが、機会に焦点を合わせたものではありません。成果は組織の外に起こった機会から生まれるものです。組織内部の問題解決から成果が生まれることはありません。

人は稀少な資源であり、自己成長や自己実現も、強みを活かし成果をあげる中で得られるものです。そのためにも、無駄に用いることはできない筈です。組織内部の問題の解決ではなく、成果につながる機会に焦点を合わせた人事を行うことこそ、大切だということを肝に銘じることだと思います。

一人で仕事をしているような場面では、自分自身の力の無さを補うというか隠すために、自分自身の強みを大きく投下して取り組むことで、成果があがらないことの本質を分かりづらくさせることも、似ているのかもしれません。自分の場合です。大いに反省。

 今日は

#70 自分達の力の無さを補うために人の強みを使っていないか

というMPから、自分も考えてみました。

仕事には最適の者を充てなければならないだけではない。実績をもつ者には、機会を与えなければならない。問題ではなく機会を中心に人事を行うことこそ、成果をあげる組織を創造する道であり、献身と情熱を創造する道である。

P.F.ドラッカー 「経営者の条件」