Vol.163  新規事業と既存事業の担当者の関係

本日は

#163 新しいものの担当は、現業からは無縁では無いが独立の担当として組織されているか

というテーマについて考えてみます。


現業に対して行うことは、「今あること」についての問題解決や、より良くしていくには?といった点です。対象物は「今、すでにある」ものです。

一方、新しいものは、これから生まれるもの、または、生まれつつあるもので、長く何かが続いてきた結果、そこにあるわけではありません。

未だないもの、未完のもの対して行うことは、問題の解決や改善、というよりも、起こりうる問題のリサーチや顧客の反応のリサーチなど、情報収集の側面があるかもしれません。

いま、すでにある物をよりよくすることと、今はまだないものを生み出すことは、思考する内容や使うべき知識、能力が変って来ます。これら両方を任せられた人は、成果をあげるのが難しくなるはずです。

別々の担当者を立てることができればいいのですが、Be forestのように小さな組織では担当を分けるのは難しいです。できる対応策としては、行う時間や行う期間で分ける方法や、独立性は守ること。組織全体でこれらの点に理解がされていれば、小さな組織でもイノベーションに取り掛かることはできるはずです。

さらに気をつけなければならないことは、新しいものを担当する部署の位置づけである。独立した部門として組織しなければならない。自動車メーカーであれ神学校であれ、新しいものを現業部門に置いても日常の問題の解決が優先されてしまう。そのために明日は常に延期される。

P.F.ドラッカー 「非営利組織の経営」