Vol.494 製造側が最終用途を限定しない

本日は

#494 事業の定義を素材単位で決めない

というテーマについて考えてみます。
こちらを参照しています。

例えば、木は紙だけではなく多様な最終製品となっている。逆に、紙と同じ機能をもつものは、木だけでなく多様な物質からつくることができる。(中略)いずれにせよ、一つの素材をもって自らを定義する企業は、すでに陳腐化したといってよい。

P.F.ドラッカー 「創造する経営者」p238~

 産業構造に大きな変化が起ころうとしている場面は、未来の事業機会となる可能性があるため注視が必要です。

 従来、紙は木だけから作られていました。しかし、現代では持続可能性の観点からも木材と使わずに作られた紙が存在しています。木を原材料とする物も木工製品や家具などを除けば紙のみでした。素材によって最終用途が決まっていました。

 ですが、産業の発達により、素材そのものの用途が幅広くなっています。用途から見た視点でも他の代替物を資源とすることもテクノロジーの発達により可能となってきました。

 自社が素材産業の場合、素材そのもので自社の事業を定義づけてしまうことで、未来の事業機会を失う可能性があります。

 素材産業でなくとも、自社事業の最終用途を1つや2つなど限られた種類に絞ることで、事業機会を失うかもしれません。

 今日は、自社が提供しているものの、従来とは異なる用途を考えてみる日です。