Vol.198 「なんでもできます」「なんでもやります」は、良い事なのか

本日は

#198 強みへの集中が必要な理由はコスト面だけでなく能力の問題があるから

というテーマについて考えてみます。


 組織で使うことができる資源。ひと、もの、カネ、と言われます。

強みへの集中は、資金に限らず、働く人たちの能力や時間を組織の強みが発揮できる分野に集中させることです。

たしかに、消費者や利用者の側からみたら、「なんでもできる」「なんでもやってくれる」場所というのは、とても有難いです。

自分で探す手間や判断する手間が省略できますので。

 ですが、「なんでもあって、品質も高い」は無理なこと。それらを実現するために必要な能力のレベルや内容が違うためです。

顧客に喜ばれるためにも集中は必要。「先生」と呼ばれる立場の人たちこそ強みに集中が必要かもしれません。

非営利組織のマーケティングにおいて特に留意すべき重要なことが、強みへの集中である。病院にしても、不得意なことに手を広げてはならない。(中略)同じことは大学にもいえる。大学の問題は何でも教えられるとしていることである。成果の期待しえない分野に貴重な資源を注ぐべきではない。

P.F.ドラッカー 「非営利組織の経営」