Vol.51 真のコミュニケーションを目指す
#51 情報=コミュニケーションだと思っていないか?
情報は、数字や事実といった本来は客観的な事柄です。
この情報を活かすのが人です。自分達の進む方向性や目標、ニーズや期待に基づいて、情報を活用します。
人によって感じ方や受け止め方、評価の仕方なども様々に変わって来ますから、受け止め方や評価の内容を、相手と確認して行くことが必要になります。互いに知る、互いに理解する、そのためには、話す・聞く、書く・読む、といった方法での、相手との直接のやりとりが欠かせません。それが、コミュニケーションです。
コンピューターからはじき出される情報を前に、その情報を目にしただけで、「共有できた」と思いがちです。
共に情報を目にした相手も「自分と同じように認識した」と無意識に捉えてしまうことがあります。
情報そのものと、自分(と相手)がした評価を分けて考える、その評価を互いに共有しあうこと、を丁寧にして行きたいと思います。
知識労働の世界では、人が生み出す物すらも形のない物で、目に見えません。それは、目には見えない「情報への評価」に基づいて生まれています。目には見えていないものの実態を、互いの前に、見えるようにしていくことに、今までよりもほんの少しでも意識と行動を向けられると、大きな成果につながる、気がします。
情報そのものも大切ですが、丁寧に行うのは、コミュニケーション。
今日、われわれは互いに理解し合い、互いのニーズや目標、感じ方や仕事の仕方を知るためにコミュニケーションを確保しなければならないことになった。この点について情報は何も教えてくれない。コミュニケーションは、声や文字を含め直接の接触によってのみ可能となる。
P.F.ドラッカー 「経営者の条件」