#43 貢献に焦点を合わせることは人材を育成すること

#43 人材育成に、どのように取り組んでいるか、どれくらい取り組めているか?

 部下が居ない人にとっては「人材育成は関係ないよ」と思うかもしれません。自分もそう考える部分はありました。
 ですが、自分が動けなくなった時、働けなくなった時のことを想像すると、話しは変わって来ます。

 人材育成は組織で働く人の数が増え、組織が大きくなっていく過程で必要になるものと考えられます。働く人の数が増えて組織が大きくなるのは、「より多く」や「より充実させた内容」で顧客の満足を満たすために、人の持つ知識や能力、活動量が必要になるから、です。より貢献するために、人が必要になる。顧客に対して確かなサービスを提供するために、より充実したサービスを提供できるために、人の力が必要です。

 これは、部下がいる、いないに関わらず同じことです。「より多く」「より充実させた内容で」「より確実に」を求めるようになり、顧客にとっての「確かさ」を担保するためには、自分以外の人の力が必要になる段階が必ず来ます。

 「自分にしかできない」仕事と言われると、優越感や特別感を感じることもあります。たしかに特別なのかもしれませんが、それにより、長い目でみたら困る人もいるわけです。自分不在の状況で一番困るのは顧客です。成果に焦点を合わせることにより、人材育成の必要性を感じるようになります。自分が関われなくなった場合のことを考え始めることは、人材育成の第一歩だと思っています。

今日、明日のマネジメントにあたるべき人間を準備しなければならない。人的資源を更新していかなければならない。

P.F.ドラッカー 「経営者の条件」