Vol.4 重症患者への手厚い看護 HCUの看護師さんの仕事
#4 常に目の行き届く看護が必要な人を診るHCUの看護師さんの仕事
- 1.ナースステーションからすべてが見える安心感
- 2.予後の生活への橋渡し
- 3.「少しでも快適に」不便や不自由を軽減してくれたことに感謝
1.ナースステーションからすべてが見える安心感
検査の後、HCU(高度治療室)に入院となりました。ナースステーションと定員8名ほどの大部屋が一体となった専門病棟でした。全患者の心電図や脈拍、酸素量などは、各ベッド脇のモニターと、看護師さんの詰め所に設置されたモニターに常に表示されるようでした。点滴の機械も様々な機能が付いているようで、薬剤を落とす速度を変えられたり、残り時間がデジタルで表示されました。
高度看護が必要な患者さんの看護が、ここでの看護師さんの仕事です。一般病棟に入院とはならなかった事情は、みなさんそれぞれに異なるのだと思いますが、症状が深刻だったり目が離せないなど、それなりに緊張感のある状況の患者さんが多かったと思います。そういう事情もあってか、看護師さんの特徴は、寄り添う姿勢の丁寧さにあったと感じました。
2.予後の生活への橋渡し
寄り添う看護の中で一番有難かったのは、食べ物アレルギーを持つ人としてこれから生活していく自分に、様々に情報提供してくださったり対応を教えてくれたことです。
改めて思い出しましたが、退院後の生活の様々な軸は、HCUの看護師さんに教えていただきました。大豆を使わずに作られた味噌のような調味料や醤油のような調味料があること、豆は豆でも避けなければならない豆と食べられる豆があること、ハウスダストや埃のアレルギーとの付き合い方、エピペン(アドレナリンの自己注射)のこと、誤食の避け方など、きめ細やかに教えていただきました。高度看護で常に看護師さんの目がわたし達患者に届く病棟だったから可能だったのではと思います。
また、食べ物アレルギーは様々な要因で全く無くなることもあるそうですが、基本、一生付き合っていく疾患です。その上での、今後の心づもりや生き方をさりげなく教えてくれたのも、HCUの看護師さんでした。
他の患者さん達に対しても、それぞれの患者さんのことを、昼夜の交代制にも関わらずよく把握して認識しておられるように感じました。また、私同様、今後一般病棟に移って行く前の段階の準備として、「安定したら一般病棟に移れますよ」というようなスタンスで、終始明るく接してくださるような印象でした。
様々な機器の音がして、さながらテレビの医療ドラマのような状況でしたが、不思議と音や他の患者さんの声がうるさいと思ったことは一度もなく、温かい空気の中、安心していられました。これもおそらく、HCUの看護師さん達の仕事ぶりから作り出された独特の空気なのだと思いました。
3.「少しでも快適に」不便や不自由を軽減してくれたことに感謝
ベッドに寝たまま髪の毛を洗っていただきました。
横になったまま、どうやって髪を洗うか?ですが、仰向けの状態で背中とベッドの間に介護用のオムツか犬のトイレシートのようなものを挟みます。お湯はボトルのような容器に入れられています。流したお湯はシートが吸収してくれるので、着ている物やベッドがビショビショにならずに済みます。
この方法も、現場の看護師さんの中では当たり前なのでしょうか、分かりませんが、経験の中で生み出されている仕組みなのだと思います。「こんなに親切にしてもらって」とじんわり涙が流れ、とても有難かったです。
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