Vol.1 知的資産は難しくない

#1 知的資産は難しくない

新しいコラムが始まりました。初めて救急外来のお世話になり、入院を経験したことがきっかけでした。

本来病院は、病んでいる・弱っている人のための場所で、入院ともなると、それなりに重度な症状なわけです。わたしの場合も、友人から「少し休みなさいと神様がくれた休暇だよ」と声を掛けてもらいましたが、症状が落ち着いた後のわたしは、医療従事者はじめ、わたし達入院患者のケアをしてくださる病院で働く人や、看護・治療という病院の仕事が気になって仕方ありませんでした。ひそかに観察したり、分析したり、考察したり。仕事や職業の特徴は、自分の関心事の一つなのだと思います。

同時に
「『知的資産』なんて難しい言葉が使われているけれど、実際の仕事の現場には、こういう具体的な物として、すでに存在しているものだな」と、改めて思わされました。

知的資産は、サービス提供を受けたお客様が「ありがとう」と感じた状態をつくり出した、企業の中の力です。
属人的な物では無く、年月を超えて会社や職業に浸透して身についている力です。

最近では、会社の事業承継の場面でその重要性が注目され始めていますが、創業社長が一人で大きくしてきたような企業が事業の中核的な部分を幹部や部下に任せて行く段階においても、知的資産の棚卸しや言語化が重要になっています。
説明されても何だか分かりにくい言葉ではなく、実際の仕事やサービスを通して「これが、わたし達の会社の力だよね」と、働く人自身が認識し伸ばすことができる物として、言語化されていることが大切なのではないか

そう考え、コラムをスタートしました。

自分が実際に受けたサービスや、見聞きしたサービスを通して、それらを作りあげている力について考えて言葉にしていきます。知的資産を、経営者やコンサルタントが整理する対象としてではなく、働く人たち自身が認識して活用できる物として言語化し可視化するならこうではないか?考察していきたいと思います。

あくまでも、「考察」の域を超えないことを、ご了承ください。
それらを作りあげている力の本当の姿は、実際の提供側の方々=働く人たちから具体的な話しを伺うことが不可欠で、外部の人間ができるのは「こうではないか?」と仮に置いてみることまでだ、と認識しています。

さながら、世界各地の森や自然を転々とする渡り鳥のように、社会にある「会社を素敵に作りあげている力」を探究していこうと思います。

読者のみなさんと一緒に探究していきたいです。よろしくお願いいたします。