Vol.2 なぜ土壌?Compostが教えてくれること

#2 なぜ土壌?Compostが教えてくれること

「土壌の力」と言えるのか。タイトルについて不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

この点については、Be forest のWEBサイトのhome画面で採用している図と説明書きが詳しいです。

このコラムでは、Compost(コンポスト)に例えて、知的資産を土壌に例えている点について、最初にみなさんにお伝えしておこうと思います。

Compostは専用の土を使った箱や袋のような物で、その中で堆肥を作ることができます。土の中には食品(=有機物)の残骸を投入し、定期的にかき混ぜながら時期を待つと、その土は堆肥になります。新たな植物が育つときの栄養になります。Compostと全く同じ仕組みなのが森の土壌です。土壌は、ただの土ではなく、有機物が分解された作られた栄養のある土なのです。

会社の中の知的資産も、ある日突然、生まれるわけではありません。他の設備などの固定資産のように他所から買って来るものでもありません。そこで働く人一人ひとりの行動内容や得た知識が時間をかけて培われ、会社全体のものになっていくものです。時間、行動、行動の源にある思考や想いの蓄積が、知的資産を作っています。

時間、行動、行動の源にある思考や想い、それらは目に見えず、当事者本人も気づいていないこともあります。なので、聴き手の質問を通して表に出してもらうことや、アウトプットされた物同士の関連性を整理したり、細かく分解して、当事者以外の人たちにも共有できる状態にすることが大切です。整理・分解・統合を経て言語化することで、他の人や会社の未来の栄養になります。質問+整理+分解+統合→言語化のプロセスを経て、1人の人の力が会社全体の力につながっていきます。

これらのプロセスは、有機物を分解して堆肥にする土壌の仕組みと同じではないか、と思います。

よく、根っこが大事だという話しがあります。根がちゃんと張っていないと育たないと。高橋尚子さんの有名な言葉「何も咲かない寒い日は 下へ下へと根を伸ばせ やがて大きな花が咲く」にもあるように、根の大切さを多くの方が教えてくれています。

栄養なく痩せた土壌では、根も伸びていくことは無いのでしょうか。

WEBコンテンツ制作に関わる中でわたし自身がいつも明るい気持ちにさせられているのは、インタビューに登場する社長さんや働き手のみなさんに蓄積されている想いや行動が伝わってくるからです。栄養満点の土壌に触れられているから、わたしも元気になれるんだと思っています。それぞれに会社ごとに異なる土壌の力に触れたとき、人は元気になれるんだ、と思います。

次回以降、実際のWEBコンテンツを通して、土壌の力をご紹介していきます。