Vol.460 「現在」という期間の決定は産業や企業によって異なる
本日は
#460 現在の活動による結果が出るのを何年後に設定しているか
というテーマについて考えてみます。
こちらを参照しています。
カーチス社の「現在」は一年ないし二年だった。その結果同社は、業界一とも思われるほどの研究開発投資を行ったにもかかわらず、10年後には、存在していないも同様の企業となってしまった。「現在」の定義が、二年以内に採算のとれないプロジェクトをすべて没にしてしまったからだった。
P.F.ドラッカー 「創造する経営者」p185~
理想企業の設計により活動の方向性を決定でき、活動と成果の目標を設定できます。このとき基準となるのが、「現在」をどれくらいの期間とするか?です。目標は現在の先にあります。その現在の期間は、一年なのか、三年なのか、五年なのか。取り組んでいる活動そのものの内容や業界によっても違いがあります。
参照の例は、航空機用エンジンメーカーの話しです。航空機のような精密かつ巨大な機器の部品の開発や技術開発には、それなりの時間を要します。安全性と機能性の両方に確証を得られることが必要だからです。
しかし、カーチス社は、「現在」の期間をあまりに短く定義してしまったため、結果、実証できるまで待つことができず、研究開発が無駄に終わってしまいました。
植えた苗や植物が、一ヶ月後に収穫できることはあり得ないように、事業活動の分野でも、待つ期間はそれなりに必要なものが大部分です。
今日は、自社にとっての研究開発のような種類の活動による結果が出るのがいつなのか、自社の「現在」の期間を確認してみる日です。