Vol.7 売り場を聞かれた商品が自店で販売していない商品だったら


 ショッピングモールに買い物に行った際、スポーツ用品店に用があると母。手を握る動作をしながら「数をカウントするアレが欲しいのだけど。。。」親指で押してカチッと音がすると1回カウントできる小型の道具、カウンターを探しているそうでした。

 スポーツ用品店は広く、どこに何があるのか見当つきませんでした。そこで、ちょうど近くで商品棚を整理していた店員さんに聴きました。

「カウンターって、ありますか?」

 店員さんはインカムで店内の他の売り場の方にも聞いてくださったのですが、あいにく、そのお店では取り扱いが無いようでした。 「Amazonで探せば、あると思うよ」と母に告げようとしていた矢先

「うちでは取り扱いが無いのですが、〇〇の中の△△さんなら、置いてあるかもしれません」

店員さんが続けて答えてくれました。


 こういう対応ってうれしいです。売り場に無いのは仕方ないので対応としては「すみません」「申し訳ありません」でも十分だと思うのですが、「△△さんなら売っているかもしれない」と、こちらの希望を叶える他の方法は無いか?と短時間に考え伝えてくれたのだと思います。

 これだけ物が溢れる時代ですから、探し物はどこかに必ず売っており、よほど個性的な物を希望していない限り、探せば手に入るはずです。
 これは同時に、他を探さざるを得なくなった人にとっては「見つけるのが大変」という状況を生んでいる可能性もあります。市場に出回っている数が多い分、各店舗で販売する品数を絞ることもあるからです。

 「△△さんなら、置いてあるかもしれません」

 知っていれば誰でも言える情報かもしれませんが、それを伝える・伝えられるかは、また違うのだろうと感じます。
 「知っている(考えがある)」というのも、当たり前のことでは無いと思います。自店舗以外のお店で売られているものが何か、普段から考えることがなかったり、見たことも無ければ、咄嗟の対応としては出来ないはずです。

 店員さんの一言の中は、「このお客さんに何かしてあげたい」という気もちと行動、普段からの(無意識の)積み重ねで得られていた情報、両方で出来ていると感じました。意外とできそうで出来ないことなのかもしれません。


みなさんのエピソードを募集しています

「この対応がうれしかった」「この声掛けがありがたかった」

そう感じられたことが、みなさんにも必ずあると思います。
そこには、会社やお店のお客さんを想う優しさと行動があります。
それはその時突然や偶然に表れたものではなく、きっと、時間をかけて育てられてきた、その会社独自の力です。
みなさんが、実際に体験したエピソードや出来事を、ぜひお聞かせください
→こちらからご連絡ください