Vol.2 知的資産は仕事や会社を作っている原材料のようなもの

#2 知的資産は仕事や会社を作っている原材料のようなもの

  • 1.知的資産と仕事・事業は、原材料と料理の関係に似ている
  • 2.使う油が変わると全く違う風味になるマヨネーズ
  • 3.同じ業種の会社やお店でも、使っている力は本来異なる

1.知的資産と仕事・事業は、原材料と料理の関係に似ている

知的資産が何か、どのように説明したら伝わりやすいか。
わたしが「似ている」と感じるものは、料理と材料の関係です

たとえば、マヨネーズ。
マヨネーズは何から出来ているかご存知ですか。主要な材料は、油、卵、酢、塩、砂糖です。
これらの分量を決め、適切な順番で混ぜていくとマヨネーズを自分で作ることができます。工場で作られて完成品として販売されているものも、材料が揃い、適切なプロセスを踏めば、自分の手で作ることができます。

どの油を使うかで、完成したマヨネーズの風味が変わってきます。
サラダ油、米油、など、油そのものの香りが少ないものを選べば、市販のマヨネーズとあまり変わらない味になります。
一方で、オリーブオイルのような油そのものに香りがあるものを選ぶと、完成するマヨネーズは「オリーブオイルが入ってるな」と分かる人にはハッキリ分かる味になります。油の風味のほか、塩や卵の種類によっても、マヨネーズとしての風味は変わってくるそうです。


2.使う油が変わると全く違う風味になるマヨネーズ

会社や仕事も、同じような関係です。
同業の会社であっても、その仕事をその会社が、どのような資源(=原材料)で行っているかによって、お客様が感じる味はハッキリと変わってきます。このように、お客様が感じる味の違いを生み出している原材料が、会社の中では「知的資産」「無形資産」と呼ばれるものだ、と解釈すると、イメージがしやすいかなと思うのですが、どうでしょうか。

たとえば、「お客様とのコミュニケーションを大事にしています」という会社があるとします。マヨネーズの例で言えば、「原材料に油を使っています」というようなものです。

では、さらに踏み込んで。
大事にしているコミュニケーションとは、いったいどのようなものでしょうか。お客様から聞きだすことを大事にするものか、こちらが説明することを大事にするものか、という大きな違いがあります。
加えて、「聞く」とは何を聞くのか、聞きだす行為に主軸を充てるのか、お客様が発する何気ない言葉の意味や背景に気づくことに焦点を当てるのか、具体的内容は変わってきます。マヨネーズの作成に、サラダ油を使うのかオリーブオイルを使うのかで完成品の味に違いがでるのと同じです。


3.同じ業種の会社やお店でも、使っている力は本来異なる

うちの会社で言うところの「コミュニケーション」は何だろう?
うちの会社が他社よりもできている(できていない)からお客様から支持されているコミュニケーションは一体なんだろう?

このようなところまで掘り下げて具体的内容を整理し、言葉にして、会社全体で共有して働く人の具体的行動に転化されていくと、その力は知的資産となっていきます。

知的資産とは、会社の強みや仕事での強みを生み出している具体的な力の内容のこと、食品を作っている原材料のようなもの、

いかがでしょうか。

原材料が分かると良いのは、原材料から誰でも作ることができるという点です。
知的資産も同じです。力の具体的内容が分かれば、AさんだけでなくBさんもできる、というように、会社全体で行うことができるようになります。

知的資産の棚卸し、言語化、可視化は、働く人のためにあるものです。