Vol.62 人の強みを活かせる仕事はどうやって作るか

#62 その仕事は、人間にできる仕事として適切に設計されているか。

 

「前の人は出来ていたから」「〇〇さんは出来ていたから」と言われて仕事を引き受けたとき、自分には全くできないか、異様にできない、という場合です。

 逆もあります。自分には問題無く出来ているので、他の人に任せたとき、その人が全く出来なかった、というような場合です。

 できないことを「能力が低い」とか「努力が足りない」とか。はたまた「それは弱みだ」と評価して、担う人自身の問題として対応を考えがちですが、そうでは無いかもしれないよ、という視点を持とうと言われています。

 あくまでも自分の視点と意見ですが。自分は真夜中に頭を働かせて行わなければならない仕事は「人間にできる仕事」とは思っていません。時差の違いや納期の問題で、真夜中に行わなければならない事はあるとは思いますが、それを続けていると人の体がおかしくなってしまうと思います。人間は動物です。朝、明るくなったら活動を始めて、夜に暗くなったら体を休める、という体内リズムがあります。それを無視して長い期間に活動を続けることは、将来的にみて人を本来の状態では無い状態にする、と思っています。

 こういった視点では無いにしても、たとえば、一点集中を何時間も続けないとできない仕事などは、人にできる仕事ではありません。特殊な能力をもった人だから、できることだと思います。

 そういった仕事は、通常の人でも行うことができるように、設計し直すことが先決です。プロセスの中に〇分毎の休憩を入れる、とか。

 人の強みを活かすためにこそ、仕事そのものは、どんな人にも行えるように客観的に設計することを忘れない。自分の設計が自分だけのものになっていないかを確認する。

前職において十分な仕事ぶりを示してきた人を二人、三人と挫折さえる仕事は、そもそも人の仕事ではないものと考えなければならない。そのような仕事は設計し直さなければならない。

P.F.ドラッカー 「経営者の条件」